腰痛と生理痛

生理痛といっても、痛みはひとつではありませんよね。 下腹部痛もあれば頭痛、肩こりもあります。 それ以外に、生理中には腰痛の症状を訴える人もいます。 生理痛は、プロンスタグランジンという物質の仕業だと言われています。

プロンスタグランジンは陣痛のときにも分泌される物質で、 子宮を収縮させ内部の物を排出させようと働きます。 生理が始まるとプロンスタグランジンという痛み物質が分泌され生理痛が起こるのですが、 あまりにも子宮の収縮が激しいと、子宮以外にも痛みが伝わり腰痛と現れてしまうのです。 他にも、子宮後屈や子宮口が狭い人が腰痛を強く感じる場合が多いようです。

経血が出づらい、子宮の位置の問題で血行不良ということになれば、腰痛もひどくなってしまいますね。 生理中の腰痛を軽減するには温めるのが一番なので、無理に体操をしようとしないで下さい。 また、生理中にだけひどい腰痛に悩まされる場合には婦人科疾患が隠れている可能性が高いので、 生理が終わった後に一度病院を受診されて下さい。
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重い生理痛には、子宮筋腫が原因のこともあります。 子宮筋腫とは、子宮の筋肉細胞にできる良性の腫瘍のことです。 非常にありふれた病気で、30代後半の女性から多くみられます。 子宮に筋腫ができると、卵ぐらいの大きさの子宮が、握りこぶし大になったり赤ちゃんの頭ぐらいの大きさになったりします。 子宮の内壁に筋腫ができると表面積が増えるため、生理時の出血が増え、子宮の収縮も強くなります。

そのため貧血がひどくなったり、生理痛が重くなったりするのです。 低用量ピルの服用をすれば排卵を止めて、生理痛を軽減することもできますが、根本的な解決にはなりません。 ひどい生理痛や不妊の原因になるなら、手術で病巣を摘出する必要があります。 他にも子宮の外側に筋腫ができるタイプや、粘膜の下にできるタイプもあります。

どのタイプも貧血や下腹部痛、不妊の原因になりがちです。 子宮内膜症の手術と同様に、妊娠を望まないなら子宮を全摘出する手術もあります。 しかし、将来妊娠を望むのであれば、筋腫だけを取り除く手術をしたいですね。
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子宮内膜症の診断と治療

子宮内膜症は不妊の原因にもなるので、治療したいと思ったらまずは婦人科を訪れてみましょう。 病院では生理のことについて聞かれるので、前もってメモにまとめておくと便利です。

・初潮、月経周期、最終月経、出血の量
・自覚する症状について

問診以外にも内診、超音波検査、血液検査を行いますが、最終的な子宮内膜症の診断は、腹腔鏡で直接患部を確認しなければ、はっきりとつきません。 ただし腹腔鏡検査は必ず行うものではなく、問診や超音波検査で大体の診断をします。 子宮内膜症の治療はホルモン治療や鎮痛剤の処方がほとんどですが、大きな病変が見つかった場合には、早急な手術が必要になります。

手術は腹腔鏡を用いれば、大きな傷も残らずに済みますね。 子宮内膜症の再発を完全に防止するには子宮と卵巣の摘出しかありませんが、これでは妊娠も望めなくなります。